鍵盤ハーモニカ奏者ピアノニマス公式ブログ~日本最大級の鍵盤ハーモニカ情報サイト~

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鍵盤ハーモニカ指導におけるタンギング問題について論文インタビューを受けました

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鍵盤ハーモニカ指導に関する論文を執筆中の大学の現役研究者「J・O様」より「教育現場でのタンギングの必要性」についてインタビューをお受けいたしました。わたくしのような底辺の自称研究家が本業の方にインタビューを受ける日が来るとは…お恥ずかしい限りです。

このタンギング問題は業界における「炎上案件」ではありますが、以下に私の考えを改めてまとめてみました。ぶっちゃけ書くたびに敵が増えるのも分かっているのですが、(音楽の先生とか、他プレイヤーとか)もうこの議論を終わせたく…あとはJ・O様が論文を仕上げてこの議論に終止符を打ってくれるのを待つのみです^^

鍵盤ハーモニカ業界が次のフェーズへ迎えることを願って、以下まとめです。

 


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■ 現場でタンギングが推奨される背景(仮説)

「タンギング」は鍵盤ハーモニカにおいて奏法の一つであり、一般的には「ビブラート」や「フラッター」といった奏法と並列であると考えられる。(例として、国内で鍵盤ハーモニカが流通した当初の製品「Pianica PC-1」のパンフレットによると「ビブラート奏法」「マンドリン奏法」といったものと並列に「タンギング奏法」と書かれている。なお、こちらのパンフレットは教育現場でピアニカが普及する「前」のもの)

 


これらの奏法は、鍵盤ハーモニカを演奏するにあたり必須の奏法ではない。(※歌唱でビブラートが出来なくても問題ない、それらの奏法は音楽のジャンルや楽曲、プレイヤーの表現に依存する)にも関わらず、なぜタンギングを行うことがフューチャーされてしまうのかというと、

  1. 教員が3・4年生でのリコーダー実践につなげようとしているから
  2. 教員が成績つけるにあたり、できている/できていないが耳で判断しやすい奏法であるから(←これはTwitterで教えてもらいました)
  3. 教員が鍵盤ハーモニカはブレスによって音をコントロールする楽器と認識しているから
  4. タンギングでないと出来ない音のキレがあると考えている教員がいるから

といった理由が考えられる(仮説)

③については、鍵盤ハーモニカという楽器の非常に重要な特性として、ブレスによるコントロールだけではなく鍵盤の抑える深さ(つまりバネの伸び縮みとバルブの開閉度合)によって音をコントロールするという特性がある。この特性を把握していないが故に、「口周りでの表現しか出来ない」といった認識が生まれているのではないか。


■タンギング必要性について

音楽的に必要な個所には使用すればよいし、そうでない箇所には使用しなくてよい、という見解。④のタンギングでないと発音のキレの良さが出せない、というご意見もあるようだが単純に指のキレを良くすればよい。また、発音のキレの良さについては使用機種のリードのレスポンスと空気構造に大きく依存するため、一口にタンギングさえすれば発音のキレが良くなる、と考えるのは無理がある。

①については、ホースを使用している場合は、ホースを噛むことによって口の動きが他の吹奏楽器に比べて制限されているためなおやりづらいはずである。そのような現行の唄口構造でタンギングを行っても、リコーダーにおけるタンギングとは口腔の動きや形が違ってくるので鍵盤ハーモニカにおいてのタンギング技術をリコーダに直接反映させることは難しいと考えられる。

鍵盤ハーモニカはリコーダーやトランペットとは楽器分類学的な観点からいうとだいぶ離れたところにある。しかしながら吹奏できるもの=タンギングして当然という固定観念が一部存在するのも事実である。鍵盤ハーモニカの特性を楽器分類学的な目線から理解し、発音構造を把握することが、特定奏法に固執(こしつ)しない、音楽的表現を優先とした楽器への理解を生むと考えている。

 

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以上となります。


おそらく日本で生まれている鍵盤ハーモニカ関係の議論の8割くらいがこの話題(+商標ネタ)です。このような議論から解き放たれて、鍵盤ハーモニカの新たな可能性をディスカッションできるレベルの国になればよいと考えています。ということで、あとはJ・O様、よろしくお願いします!!

 

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鍵盤ハーモニカそのもの、あるいは奏法やメンテナンスについて不安のある先生方は
是非「鍵盤ハーモニカゼミ」をご受講ください。
http://www.pianonymous.com/entry/2016/12/01/semi2017

 


 

 

 

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